2010年2月19日金曜日

ATOM(ASRock A330ION) と FreeNAS で NAS を作ってみた。




HD動画を撮りたくて、新しいデジカメ(Cybershot WX1)を買ったら、データがでかくてバックアップ用のTeraStation(250GB*4 RAID1)がいっぱいになってきた。

「これはあかん。」

とHDDの入れ替えを検討していたら、なんと
TS-1.0TGL/R5のHDD交換
の記事によると、なんとHDD1台当たり550GBしか認識しないらしい。

「だめじゃん。」

仕方がないのでNASを新調することにした。
HDDレスのNASで、後で拡張できるように4台HDDが入るやつをいろいろあさってみるが、どうやらATOMでOSを自分でインストールするのが、安いし、CPUパワーもあるので、転送も速いらしい。FreeNASというのがNAS専用のOSですごく簡単とのことなのでやってみることにする。

ということで、使ったのがこれ。
・ マザー: ASRock A330ION (参考) SATA*4 DDR3 CPUはオンボードATOM330
・ ケース: JMAX JX-FX300B ホットスワップ対応のHDDトレイ2つ、 5インチベイ使えばHDD4つ入る。 NASっぽくてかっこいい。
・ HDD:WD Caviar Green WD20 EARS  2TB*2 省電力とのことでこれ。
あとはメモリ。

自分の場合は、
・ NASに、光学ドライブをつけないのと、生のメインマシンで作業すると、間違えたとき怖いのでインストールにVMWareを使う。
・ 余ってるHDDがあるので、RAIDとは別にシステム専用に使う。(USBメモリをシステムディスクにもできるが、HDDだと起動が速いのと、FreeBSDのパッケージをいろいろ入れて遊べるのでHDDにした。)
の方針で、いろいろやってみる。

◎ NASの作業
1、とりあえず、組み立てる。(システムHDD以外)
2、FreeNASを落とす
3、VMWareを落としたisoからCD起動して、USB接続したシステム用HDDにFreeNASをFULLインストールする。
4、システム用HDDをNASにつなぐ。最初の設定用にキーボードとディスプレイもNASにつなぐ。
5、起動する。インストールしたときとデバイス名が変っているので、途中で「ルートがマウントできないぞ。」て感じのエラーがでる。そこであわてず、画面上のどこかに正しいデバイス名が表示されているはずなので、
ufs:デバイス名  と打ち込んでEnter。 (自分の場合は ufs:ad8s1 )だった。
このデバイス名はあとで使うのでメモっておく。
6、起動したらメニューが出るので、ネットワーク設定とパスワード設定をする。
7、NASコンソールの作業はこれでおしまい。あとはブラウザからの設定。(キーボードとディスプレイはもう要らない。)

◎ ブラウザからの設定
1、普通にブラウザから設定画面にアクセスする。
2、System|General からとりあえず日本語にする。
3、高度な設定|ファイルエディタから /etc/fstab を開き、ルートのマウントポイントを/dev/{さっきのデバイス名} に書き換える。
4、「FreeNASを使ってRAID1 でファイル共有」の記事を参考に設定をかける。アレンジしたのは、
・ システムHDDの空き領域もデータをかけるようにした。(ここはRAIDではないが)
・ CIFS/SMBの設定で CP932 に変えた。
・ CIFS/SMBの設定で認証を匿名からローカルユーザーに変えた。
※ マザーがハードーウェアRAID機能を持っているので、初めはそれを使おうとしたが、FreeNASが認識しなかったので、普通のディスク2台としてつないでRAIDはFreeNASにおまかせした。
5、アクセス->ユーザーとグループからユーザーを追加。グループはadmin。追加のグループはwheel。シェルはbash。
6、この時点でWindowsから普通にNASとして使えるので、がんがんバックアップを取る。
7、サービス|SSHからSSHをオンにする。(普通にログインできるので便利)
8、サービス|iTunes/DAAPからiTuneサーバーを有効にする。
・ 曲データは、NASに突っ込んでおく。
・ システム|高度な設定で、Zeroconf/Bonjourをオンにするのを忘れない。
・ iTunesから確認OK。
9、 サービス|UPnPを設定してDLNAサーバーにもする。
・ 高度な設定|ファイルエディタから/etc/rd.d/fuppes を編集しクライアントのIPを登録。
    <allowed_ips> <- ここに
        <ip>192.168.xx.aa</ip>
        <ip>192.168.xx.bb</ip>  <- のように追加していく。
    </allowed_ips>
・ Windows7のMediaPlayerから確認OK。
10、NTFSフォーマットされたUSBのHDDをNASにつないでみる。
・ ディスクを追加するときに、NTFSを選ぶとあっさり認識。
・ Windowsから読み書きしてみる。OK。
・ これは、TeraStationでできなくて困っていたので便利。外してwindowsにもつなげるのでいい感じ。

◎ ベンチマーク
左がTeraStation(TS-1.0TGL/R5) 、右が今回のFreeNAS

今回は、容量アップすればいいので、速くなればラッキーって感じだったのだが、シーケンシャルR/Wは5~6倍の速さになっている。実際、バックアップがかなり快適。
ただ、細かいサイズのランダムWriteが、遅くなっている。
げ、これはもしかして、新型HDDとOSの相性が悪いのか・・・
- 参考: はいじん☆ちゃんねる >> 【注意!】WD10EARSは特殊な物理フォーマットを採用
と思ったが、USBで外付けHDDつけても傾向は同じだし、ネットで調べたFreeNASの他の事例も()RandomWriteがおっそいので、FreeNASの特徴っぽい。ガリガリとランダムで書き込みするファイルを置いてはいけないということのようだ。
とりあえず、バックアップ用兼メディアサーバーとしての使い方なら問題はないでしょう。

◎ 感想
・ 同価格帯のNASと比べるとスペック、機能等、かなり満足な出来上がりになった。
・ マザーの破壊やシステム領域の破壊からの復旧を考えると、入手容易なOSを使っているので、製品NASよりも安心感がある。
・ X86なのでVMWareでOS動かせば、作業もいろいろ楽できる。